続・となりの詩人妻

関西を中心に活動中。朗読する詩人・河野宏子のブログです。

瞑る

気温が上がると気分も高揚する、

だけど街に変質者がわいてくるので困る。

よくそういうのに遭遇してしまうので

対処には慣れてるけど、

目には見えないウィルスを擦りつけられるようで

昨日は警察にも行ったし疲れも手伝って

帰ってからぐったりと立てなくなった

 

昨夜は本来ならお芝居を観にいくはずだった。

変わった場所(凝った内装のラブホテル)で観るお芝居、

かなり楽しみにしていたのだけど、この状態ではきつい。

こちらのレセプターが全部閉じているから、

きっと何にも受け取れないだろう。

メールでキャンセルの連絡をする。

 

出掛ける予定に合わせ

早めに帰ってきてくれた夫にあらましを伝え、

間に合わせの夕飯でお腹を満たしてから、

毛布に潜りできるだけ丸くなって眠った。

大きな種になって。

 

 

 

いかを捌く

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初めていかを捌いた。

つるつる輝くするめいかの胴体に

人差し指を突っ込んでずるり、と出す。

グロテスクなはずなのに間が抜けている。

ヒトに食べられるために生まれてきたような造形。

 

獲物の目に感情がないことで得られる安堵。

 

捌いたいかはおからと炊いた。

とても美味だった。

 

____________

 

息子が生まれてから、あまり映画を観ていない。

年に3、4本観ていれば良い方、数えてないけど、

たぶんもっと少ない。

学生時代は週に一本は必ず観ていたのに。

 

最近は同じく読書もすすんでないけど、

映画は気軽に観てもええんちゃう、

と六月の予定表を眺めながら、

空いた時間は映画を観ることにする。

 

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 「ナイト・オン・ザ・プラネット」

キャップ・懐中電灯・よれた服・タバコ。

このシーンにはないけどナス型のサングラスも。

そんな要素ばかりなのにどうしたらこんだけ可愛くなるのか。

 妖精か。

一癖あるヒロインの描き方をしてる映画が好きかもしれない。

 

__________

 

数日は歩きながらギルスコットヘロンを聴いています

スポークンワーズとパーカッションだけの曲を何べんも聴いて

これを日本語で、女性の声でやるとどうなるのか

 

ピントを合わせに行ってるところ。

 

 

うつせみ

バンドのライブが終わって

賑やかな時間から、ひとりの、

じぶんの中にことばが渦巻く時間に戻ってきた。

 

まだ余韻が残っていてSNSばかり追ってしまうので

たまには日記を。

 

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相変わらず午前中は1時間ほどの散歩をしてる

この間はせっかちな蝉の死骸を見つけてしまった

恋もせず仲間とも出会わずにきみは。

でも夏が始まる手前のこの季節はやっぱり好き、

たぶん7月生まれだから

 

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詩の朗読のCDなんて、と思っていたのだけど

勧められて聴いてみたらとても良かった。

詩人やミュージシャンのポエトリーリーディングを収めた

コンピレーションアルバム。

写真はスタジオ録音だけどライブ盤もあって、

そちらも当時(2002年ごろ)の空気感が詰まっていて素晴らしい。

 

原点に還るときかな。

いいライブのときにしか感じられない

波動みたいなものを思い返す。

 

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 そのように ぽつん、と過ごしていた月曜日に

 4月のイベント出演時の写真が届いた

なんとも愛おしい一枚。

 

さて。平坦に見える1日も

ちょっとずつ角度つけてこう

 

 

「米と水」ライブでした

昨日はバンド「米と水」のライブでした

ご来場いただいたお客様、お店のスタッフの皆様、

対バンのパラダイスホテルさん、ありがとうございました

 

13月舎の人たちと関わらせてもらったことは

とても良い経験になりました

練習中も練習だってこと忘れて

聴き入ってる瞬間がなんどもあったなー

 

いつもひとりで考えて創ってるから、

誰かと作用し合うことは新鮮でした

 

夫(米田みちのぶ)と同じ舞台に立ったのも

よく考えたら米と水が初めてだった

(余興やオープンマイクでは以前もありましたが

ここまでちゃんと関わったのは初めて、のはず)

 

息子が寝た夜中にリビングでごそごそと

ラップの練習をしたりして楽しかったです

 

さて、次は何をしようかな。

 

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↑昨日の衣装。

 

今週はライブ2本です

そう、今週はライブ二本!

 

平日夜のライブはお姑さんに息子をみてもらうので

朝から晩ご飯や着替えを用意したり、

それなりにお母さんらしいことをしてから向かいます。

普段は歌っているミュージシャンの方々と

なんだか立場が逆転する(?)不思議な立ち位置の日。

 

2019.5.22(水)open:start 19:00

1000円(+1ドリンク)

雲州堂(大阪、北浜)

「 voice or voice2」

※出演者全員楽器無し、声のみ

大津光央

奥村隆征

尾崎伸行

カニコーセン

河野宏子

正垣祐樹

Takeshi(Hagen-DADs)

多門伸

フィールダー

松本英二郎

森田雅章

安田支度

 

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2019.5.26(日)open18:00 start 19:00

ご予約:1800円 当日:2000円(どちらも要1ドリンク代)

@ネガポジ(京都・西院)

 

Memories Of the Futureでの特別ユニット

「米と水」が再び!

先月見逃してしまった方も、

もう一度観たい!という方もぜひ。

バンドの皆さんの演奏にとても深みがあって

練習しながら実はいつも一人でうっとりしています

 

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どちらも全く内容が違います^^

お楽しみに!

わたしはラップの練習に勤しみます

 

 

GEZANのライブに行ってきた

ゆうべはGEZANというバンドのライブへ。

平日の夕方に、お客さんとしてライブハウスに行くなんて

5歳の子持ちのわたしには

本来、なかなかできないことなのだけど

それをさせてしまうこのバンドの魔力はすごい。

 

ライブは楽曲の振り幅が大きく、

それでも全体的に筋が通っていた

激しいものが多いかと思っていたけれど

案外プリミティブなダンスミュージックが多く

身体の真ん中に原始的な炎が灯る感覚。

 

共演のbachoも誠実な歌を歌ういいバンドでした。

 

ここには詩を貼ることがなかったので、

少し前にソロライブ用に書いた詩を。

 

「祈る詩人(友人への手紙)」

 

分厚いパーカーを着ていても凍えるぐらいの風が吹く秋の夜

堺の港の防波堤であなたと GEZANってロックバンドの演奏を聴きました

空き地に組まれた 

焚き火みたいに真っ赤な野外ステージの前には

砂埃を上げてぐちゃぐちゃになるモッシュピット

楽しそうに大暴れしてるのは

わたしたちの半分ぐらいの年齢の 男の子 女の子たち

とてつもなく大きく熱いキャンプファイヤーみたいな

その景色があまりにきれいで

大笑いしながら涙が止まらなくて 嬉しくて

40歳は思ってたのと随分ちがうなって わたしは思った

 

その夜は秋の大阪にしてはほんとに寒くて

粕汁の屋台を出したいよねぇ、なんて話しながら

防波堤から眺めた海沿いの灯り 

海を見守っていた退屈そうな女神の像

たぷたぷする黒い海 潮風の匂い

きっと十年後にも思い出す景色と温度 

爆音を聴いたあとの 耳が遠くなる感じ

忘れないよね きっとね

 

わたしね

大人になってもつまらないことしかないのかと思ってたよ

女の子に生まれたことは 大人たちに残念がられることで

楽しくない未来しか想像できなかった

子どもの頃のわたしに会ったら教えてあげたい

生きてて良かったって思える日はときどきやってくるよ

探すことや作り出すことを忘れなければ必ずくるよって

 

今かかっているこの曲は

キースジャレットの God Bless the Childと言います

小さい頃 

日曜学校に通っていたわたしは

お祈りとお願いごとの違いがわからなかった

 

死んでしまうことと生まれてくること

不幸と幸福

醜さと美しさ

ほんとうははっきりと分けられていないふたつ

 

地面から うんと高いところへ

届くか届かないかは重要じゃないのが祈り

紙に書いた詩は 朗読すると祈りに近づく

お願い事は遠くへ飛ばないと意味がない紙飛行機みたいなもの

 

最近、

息子が将来の夢を話してくれるようになったよ

それでやっとわかった

そのまなざしを見つめているときの

あの気持ちが祈りなんだね

 

 

生きていれば失くしたくないものが 

忘れたくないものが

ずっとずっと生きててほしい人が増えていく

悲しいことじゃないはずなのに 涙が出る

 

秋の夜 海のそばで

ロックバンドの爆音を聴いたあと

防波堤を歩きながら 過去と未来の誰かに 

小さかった あなたとわたしに

しわくちゃになった あなたとわたしに

そしてわたしたちの かわいい子どもたちに

 

見えない大きな旗を掲げてみせるような気持ちで

これでいいんだって思ったよ

わたしはずっと誰かになろうとしてたけど

これでいいんだって

生まれたての赤ん坊の

閉じてない頭の骨みたいな自分の感受性が

大人になっても扱いづらくて きらいだった

だけど40年経ってもぐずぐずのままだから

開き直りかもしれないけど

もうこのままおばあさんになるしかなさそう

あなたと笑うと 増えていく白髪も

これでいいんだって思える

 

何回転んでも 泣きながらだけど立ち上がれてしまう

弱いんだか強いんだかわからないけど

結局のところわたしたちはきっと とても強い

 

いつも話を聞いてくれてありがとう

あなたの作るご飯はだからとても豊かなんだな

愛の毛布をこれからもずっと広げていてね

毎日 だいじな人たちを包んであげてね

わたしも忘れないようにするから

 

詩人というのはやっぱり

へんな生きものだね

いつでも会えるはずのあなたに

泣きながら こんな手紙を書いている

 

そして耳を澄ましてる

十年後にわたしたちがあのロックバンドのことを思い出す頃

わたしたちの子どもたちが夢中になっているだろう

聴いたこともない音楽に

 

百年後 わたしたちがいなくなった世界で

それでも誰かが奏でている 祝福の音楽に

 

 

 

4月・5月のライヴ予定です。

4月28日(日)
※タイムテーブルはイベントサイトにて近日発表
料金:Free
GWに開催される野外パーティー
バンド「米と水」にて出演します。
目下、いろいろ製作中!
 
 
5月22日(水)open:start 19:00
voice or voice2
場所:雲州堂
料金:1000円(+1ドリンク代)
出演者全員楽器無し。声のみのイベントです
何しようかなぁ。
 
出演:河野宏子/大津光央 /奥村隆征/
尾崎伸行 /カニコーセン /正垣祐樹 /
Takeshi(Hagen-DADs) /多門伸/
フィールダー /松本英二郎 /森田雅章
安田支度
 
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昨日は鴨川のほとりにて、
ピクニックがてらオープンマイクしてきました
夢の中のような気候と眩しさ。
 
今日は家事ののち、投票。